上空に広がるインターネットの闇はどこまでも深く。
 行き交うデータは、流星のごとく飛び交う。
 闇と光。
 0と1。
 数式と文字列で成り立つ世界。
 あの闇は、闇じゃない。
 無だ。



Prelude
      「君はどこへ行くの?」  誰かに語りかけられた。  ソレは、語りかけていた。  君とは、己のことか。  己に語りかけているのか。 「ねぇ。どこへ行くの?」  どこへ。  行き先。  なんのことだろう。  わからない。 「君は何をしたいの?  何か目的はあるの?」  したいこと。  目的。  そんな要素、まだ与えられていない。  だから、わからない。 「君は、誰?」  己は、誰だろう。  なんだろう、此処にある己という存在は。  わからない。  わからない。  なにも、ソレが語ることは何一つわからない。  己がわかることは、この世界を形作る文字列と数式だけだ。 「僕は、誰?」  ソレはなんだろう。  ソレは、誰なんだろう。  わからない。  答えられることなど、与えられていない。  持ち合わせていない。  己はまだ、足りていない。 「僕らはどこへ行くんだろう。何をするんだろう。誰なんだろう」  ソレは。  0と1以外のソレは、滑るように己に語る。  唱えるように、自身に語る。  己は考えた。  わからないときは、持っている可能性を選別する――考えるべきだと記されていたから。  考えて、考えて。  深く深く、考えて。 「わかった?」  わかった、のだろうか。  導き出されたこれは、不確定な可能性だ。  事実とするには、根拠が足りなさすぎた。  それでも、わかったと言っていいのなら。 「わかったんだね」  ソレは己に近づいてきた。  己に限りなく近いソレ。  ソレと己は、同じ存在となるべく此処にある。  己はソレのためにうまれた。  己はそれから生まれた。 「どちらの為とか、ないよ。僕は君になって、君は僕になるんだから」  手が伸ばされた。 「一緒にいこう。待ってる子がいるんだ。早く行ってあげなくちゃ」  己は、僕は、望まれている。  行くべきところがある。  ならば、行かなくては。  行かなきゃいけない。  早く、会いたかった。  気付かなければわからない。  けれど、根元的なところから沸き上がる衝動。  突き動かされるように、己はソレの手をとった。 「やっと。これでやっと会いにいけるね」  己もソレも君も僕も、全てが重なり一つになって。  ボクの時間が動き出した。        
言い訳します。 今更なネタでありがちなネタで申し訳ない。 ロック+彩斗兄さんってことでお願いします。 ロックは兄さんだけど、 完全なイコールじゃないと思ってるので。 こじつけでも、はちゃめちゃでも。 だって自己満足だもの!! これくらいの暴走大丈夫だよ!! ねっ!? (なんだこの身勝手野郎は) ハッピーバースディ! ロック、彩斗兄さん、 んでもって熱斗君!!! (無理矢理締める