08.レアチップやけに嬉しそうに、一つのバトルチップを持って話しかけてくる悠。 まだ子供の、赤い新品同然のランドセルが似合う私のオペレーター。 『ねぇねぇ、スイウ!見て見て!!』 自慢げにその小さな手に持つモノをPETの画面にと押しつけてくる。 少々、いや、だいぶ苦労して判明したソレは、 「流星群??どうしたの?ソレ?」 結構な高レベルチップだった。 メットールか、せいぜいガルーぐらいとしか対ウイルス戦はしないというのに。 ・・・・・・まだ持つには早いだろうに。 チップを手元に戻すと悠はキョンとして、 『刺嗚兄ぃがくれたの』 ・・・刺嗚。悠の兄であり、私の制作者。 その名前だけで全てが腑に落ちた。 と同時に頭を意識のみで抱えることにもなった。 「・・・・・・なんでまたそんな物騒なモノ」 『良く分かんないんだけど、コレでいざとなったら身を守れって』 「・・・・・・」 どんな心配をしているのかあの兄は。 シスコ・・いや、妹馬鹿にも程がある。 『ねぇ、スイウ。どういう意味だと思う?』 「・・・さぁ、私にはあの方のコトは分からないわ」 今はとぼけておこう。 そしてこの後、リョクウさんに一言あの兄を止めるよう、くぎを差してこなければ。 『ふ〜ん。ま、いいや。新しいチップ、早く使ってみよ!!今度こそわたし、刺嗚兄ぃに勝つんだから!!』 好奇心旺盛な何も知らない悠の笑顔が、ひときわ輝かしく見えた。スイウが変。 悠が可笑しい。 んでも元々スイウはこ〜んな感情豊かな(?)子だったのですよ。 色々あって今の状況に。 兄はシスコン。 妹馬鹿の方が言い方非道いという突っ込みは受け付ける方向で。 だって確信犯ですから☆ 因みにこの時のスイウ、ミニマムの子供姿だったりします。 (↑言わなわからねぇよ!!)