04 愚かな君が好きなんだ
何事も突然やってくるもの。 巻き込まれたら、ただ呑まれてゆくだけ。 青い彼は赤い彼に向かって出会い頭に言いました。 「動かないで」 「な、」 赤い彼はたいそう驚き言葉を詰まらせました。 なぜなら、獲物を狙う目で青い彼に睨まれているからでした。 じりっ、と。 青い彼は慎重な動きで姿勢を整えてゆきます。 赤い彼は何が起きたのか全く理解できないでいます。 ひょっとしたら、青い彼を怒らせるようなことをしたのでしょうか? 赤い彼には……、残念ながらその心当たりが多すぎました。 「ぜっったい、動かないで」 「な、なにが」 「黙って。喋るな。1ミクロンたりとも動いたら駄目」 「うっ」 普段はへらりとしている彼ですが、今日は特に凄みがありました。 一言ぐらい言い返してやりたい赤い彼ですが、迫力に負けて逆らう事が出来ません。 たとえ振り返りざまの微妙なポーズをとらされていても、動くなと言われてしまったので動けません。 強制的に“だるまさんが転んだ”状態です。 はっきり言ってしまえば、とても間抜けです。 「いくよ」 青い彼は低く呟きました。 赤い彼は1ミクロンとも動かないように唾さえ飲み込むことが出来ません。 次の瞬間、青い彼は何かを投げました。 そのまた次の瞬間、赤い彼は頭に軽い衝撃を感じました。 「やった!」 青い彼の表情は、喜びに充ち満ちました。 「……おい」 対する赤い彼は、胸の奥でどす黒い何かが芽生えたのをはっきり自覚しました。 「協力ありがとう、ブルース」 すっきりとした表情がとても愛らしい青い彼が投げたのは丸い輪っかでした。 「きっさま!」 口をわなわなと震わせるとても気の毒な赤い彼のトレードマークには、 丸い輪っかが綺麗に嵌っていました。 「急に何かと思えばこんな貴様そこに居直れ!!」 赤い彼は怒りのあまり輪っかを外すことも忘れて青い彼に怒鳴りつけました。 自慢のソードを構えますが青い彼は悪びれるでもなく飄々としています。 赤い彼にどれだけ怒られようとも全く怖くありません。 ただただ、可愛いだけです。 青い彼は楽しい遊びに付き合ってくれた赤い彼に満面の笑顔を浮かべて言いました。 「ありがと、ブルース。楽しかったよ」 赤い彼は、これだけで何も言えなくなってしまいました。
ありがちネタだよねきっと ブルースに輪投げって でも書きたいモノを書きたいときに書くのが信条だから ……怒らないでください(ビクビク) それと、ごめんなさい 一つ訂正 こんな愚かな子が好きなのは僕です こんなブルとロクの関係、大好きですが何か いやね?もちろん格好いいブルさんも愛してやみませんよ でも、さ…… うっかり“マスクド レッド”やっちゃう彼が 愛しくてたまらないのさぁぁぁぁ!!!(叫)