01.手をつなぐ怖かった。 手と手が触れる、 ただそれだけのことが。 「炎山♪」 昔から、 誰も俺に近寄ってくることなんてなかった。 誰も“伊集院炎山”に触れる事なんてなかった。 「何してんだよ。早く行こうぜ」 だから壁を作っていた。 誰も俺に触れないのなら、 俺の方から避けてしまえば、 もう傷つく事なんてないと思ったから。 「今日は一日中俺につきあってもらうからな」 それでも、簡単に壁を突き抜けて、 お前は俺に触れた。 お前は“伊集院炎山”しか見ていない。 はじめは怖かった。 認めたくはなかったけれど、 お構いなしに俺の中に、 ズカズカ入り込んでくるお前が。 でも、 俺に触れたお前の手は、 暖かかったから。 「で、どこへ連れてってくれるんだ」 振り払う事なんて、 出来なくなっていた。何が何だか。 いまいち。の一言で・・。 でもUPしちゃったり(爆)