何時もの様に電話をする中、突然ソレは起こった。 
  
「熱斗、悪いが今すぐブルースを呼び戻してくれるか?」 
炎山の、少し慌てた様な声が電話ごしに伝わった。 
  
「すまないが電話を切るぞ」 
  
それだけ言い残すと、プツンと無機質な音がした。 
  
ツーツーツー……… 
何か起こったのだろうか? 
少しだけ感じた怒りを抑え、熱斗はロックマンに話し掛けた。 
  
  
  
「逢い引き中悪いんだけど、ロック。ブルースに戻る様伝えてくれる?」 
  
こころなしか言葉に刺がある、そう気付いたロックマンは渋々、だが大人しくブルースに伝えようと振り向いた。 
  
「ブルー…!!」 
  
ロックマンが見たのは、今にもデリートしそうなブルース。 
  
「ブルース!!!」 
  
ウィルスか敵か、咄嗟に判断も出来ない。 
  
「ロッ…ク…「喋っちゃ駄目だよ!ブルース!!」 
  
無理矢理黙らせる。 
そして熱斗に向かって叫んだ。 
  
「熱斗君!ブルースが…!!」 
  
困惑し、焦った様な思念が伝わって来た。 
熱斗もこの様な事態は初めてなのだろう。 
対処方が思いつかない…博士に連絡するにしても、遅すぎる。 
  
考えている間にも、消えかけていくブルース。 
  
「ブルース……」 
ただ、叫ぶ事しか出来ない。 
  
「大丈夫…だ…ロッ…ク…マ…ン」 
大丈夫には、聞こえない。 
  
「何処が大丈夫なの!?ブルース!嫌だよっ、ちょっと!ねえっ!!」 
  
「だ…から……で…き……」 
うまく、聞き取れない。 
  
「ブルース!!嫌だよ!……好きなのに…そんな……嫌だよ!!!いなくならないで!!!!」 
  
ブルースは困惑の表情の中、それでも微かに微笑んだ…気がした。 
  
そして、四散する。 
  
  
  
ロックマンの、悲痛の叫びだけが虚しく響いた。 
  
  
  
  
  
  
  
  
後日談。 
  
  
「いや…悪かったよ、ブルース」 
  
「何で…忘れてたんですか…?」 
  
「ブルースも忘れていただろう?」 
  
「「…………」」 
  
「何て言い訳しましょうか…」 
  
「そうだな…」 
  
二人は悩んでいた。 
何と言い訳したらよいのか、いや、正直に言えばいいのだが……その選択は、何となく自尊心を傷つけられる…
というか恥ずかしいものであって…… 
  
  
  
電池切れだったと、正直に話すべきか否か…… 
  
炎山氏とブルース氏、二人の苦悩は暫く続きそうである。 
  
  
  
  
  
  
05/06/16 作:架 凪砂 様 
  
  
  
  
  
  
  ◇◇◇ 
  
オフ友の 架 凪砂 様より頂いた品(ごうだつひん)ですvv 
ホントはジャンル違うのに・・・。読んだ瞬間踊ってみたり。 
赤組万歳っっ!! 
顔がニヘニヘして大変危ないです(にわたのみ) 
にわたもわたも、感謝の気持ちでいっぱいですvv 
どこぞでお礼させてもらう(と思う)よ。 
素敵小説有難う御座いました(礼)
  
・・・・・・また何かたかっていい?(←を〜い)
  
05/06/16 にわたずみ