好きだと告げたのは、私の方からだった。 感情プログラムの更新を行ってすぐに。 私はようやっと理解したのだ。 トマホークマンへの想いが『好意』であると。 [ ステルスマイン。] 『カーネル!』 『…トマホークマン。任務は終わったのか』 『オウ、今帰った!!』 バレル様に報告を終えて通路に出た途端。 後ろからかかった声に立ち止まれば、わざわざ私の前に回りこむトマホークマン。 斧になった右手と普通の状態の左手を振り上げて元気に笑って見せる姿。 それだけで任務の疲れも忘れてしまえる。 愛しい幼子の頭を軽く撫でててやると、それまで以上に嬉しそうに笑って返すから。 私の方も思わず微笑が浮かぶ。 『ご苦労だったな』 『オレ、すげぇがんばったぜ!』 歩き出せば、私の後ろを数歩遅れて走る姿。 これも感情プログラムの発達のおかげか。 その姿が非常に愛らしく見える。 少し歩調を緩めてトマホークマンの歩調に合わせると。 驚いたような顔をした彼は…次には、この上なく幸せそうに笑ってみせた。 『何だ』 『ん〜?愛されてるな〜って』 思わず目の前の柱に顔を打ち付けた。 とはいっても、一番にぶつかったのはヘッドギアなのだが。 『ど、どこをどうひねってそういった表現になる…!?』 『えー、だってカーネルオレのこと好きだろ?』 『…あぁ、まぁ』 『じゃあそうじゃん。好きって事は愛してるってことだろ?』 額をおさえてトマホークマンを見れば。 に、と。 目を僅かに眇めて、口元を楽しそうに引き結んで。 猫のように―意地悪く笑みを作る彼にため息をつく。 なんという自信だろうか、と。 『何だ、その理論は』 『違うの?うわーショック〜、オレだけそう思ってたって事じゃん』 『っ、待て』 離れていこうとするトマホークマンの腕を、引き止める。 それは―考える前にとった行動で。 トマホークマンの大きな瞳が、驚いたようにさらに大きく見開かれる。 『何?カーネル』 『…いや…その』 こちらに向き直ったトマホークマンが首を傾げてこちらを覗き込む。 何故だろう。 引き止めてしまった理由が、よくわからない。 私自身答えが出ずに困惑していると。 きょとん、とこちらを見つめていたトマホークマンが…苦笑に似た表情を浮かべた。 『鈍いよなー、カーネル』 『…』 『オレは、あんたのことが好き。で、あんたもオレのことが好き』 『……あぁ』 『だから、ちょっとでもひっついてたいし、ちょっとでも嫌われたくない。だろ?』 掴んでいた腕を外したトマホークマンがゆっくりと私に近づく。 まるで子供にするかのように私の腕を軽くたたいて。 『カーネル。手、繋いで?』 差し出した右手の斧を瞬時に通常の腕に変換して。 小さな手のひらをいっぱいに広げて。 優しく微笑みかけてくる笑顔は。 とても、大切に思えるもので。 『敵わないな…お前には』 何故だか胸は小さな痛みを訴えてくる。 だがそれは不快なものではなく…むしろあたたかな痛みで。 小さなその手を壊さないようにゆっくりと包み込んだ。 好きだと告げたのは私の方だったけれど。 それ以上のことは全てトマホークマンから教えてもらった。 持ちきれないほどの優しさを、愛しさを彼はくれた。 それはけして負荷になるようなものではなく。 とても、 とても……心地のよいものだった。 相互リンクしていただいたぽちょ様に献上いたします。 ぽちょ様のみお持ち帰りオッケーです。 スイマセンスイマセン遅くなりましたが相互本当にありがとうございます! 「トマが押し押しなカネトマ」ってリク全然消化出来てないじゃん自分!(撲殺) 恋愛に関してはトマのほうが一・二枚くらい上手感を出したかったのですが… 補足しないとわかっていただけないよゲフン。 そんなこんなで大層遅くなりましたが、 相互記念ということでぽちょ様に押し付けさせていただきます。 本当にありがとうございましたー!