04:おでこに 
  
  
  
「ディーンゴー」 
「んぁ?何だよ、熱斗」 
  
  
二人で風呂から上がって、オレの部屋。 
オレはベッドに寝ころびながらディンゴに声をかけた。 
本日、オレの家にてお泊まり会。 
ちなみにママはパパと久しぶりのお出かけで、家にはオレとディンゴのみ。 
だからオレ達は、午前中からかなりの頻度でひっついてたんだけど。 
  
  
「キスして」 
「絶対ヤダ」 
  
  
まだ乾いてない髪をタオルでがしがしやりながら。 
それでもちゃんと聞いてる辺りに、ガードが堅いとため息をついてしまう。 
そう。 
今日はまだ…一回もキスしていないのだ。 
けどほら、お泊まり会だし。 
パパもママも居ないし。 
ちょっとばかり期待したって…罰は当たらないだろ? 
  
  
「じゃあ、デコでいいから」 
「……まぁ、そんくらいなら」 
  
  
外したバンダナを手の中でいじりながら、再度お願いすれば。 
渋々と言った感じのディンゴの声と。 
ちらりとこちらを伺うタオルの隙間から覗いた表情。 
大きな眼が、オレに下心がないか疑いの眼差しを向けて。 
大口開けて笑うくせに、実は小ぶりな唇が… 
どうしようか考えるみたいに少しだけ尖ってて。 
オレは、バレないように唾を飲み込んだ。 
だって…予想外に、その表情が可愛くて。 
  
  
「デコだけな。口にはしないからな」 
「はいはい」 
  
  
そう言いながらベッドに近づくディンゴに合わせて、身体を起こした。 
デコチューくらいなら危険はないと思ったんだろうけど。 
…甘いなディンゴ。 
こっちには、ちょっとしたドッキリがあるんだぜ。 
  
  
「目、閉じてろよ」 
「はいはい」 
「開けるなよっ」 
「解ってるってば」 
  
  
ベッドに腰掛けたオレの目の前に、ディンゴが立つ。 
いつも同じくらいの視線だから新鮮だ。 
見下ろしてくるディンゴが、ちょっとだけ大人っぽい。 
前髪をはらわれて、額が外気に触れる。 
…先にお前が目ぇ閉じてどうするんだ。 
そうツッコミたかったけど、それは出来なかった。 
目の前に、露わになった首筋。 
ズボンを履いただけの裸体。 
うっすら浮かぶ鎖骨。 
呼吸の度に上下する胸元。 
…これはキツイ。 
たとえ、オレじゃなくとも。 
  
  
「…っ」 
  
  
ちゅ、と。 
可愛らしい音とともに、額へとディンゴの柔らかな唇が触れて。 
オレは。 
  
  
「…ん」 
「ひゃあ!?」 
  
  
少し身体をずらして、ディンゴの喉元にゆるく噛みつく。 
ドッキリ成功。 
かふかふ噛みつく度に、ディンゴがやめさせようともがくけど。 
首筋に舌を這わせると…その抵抗も終わり。 
ねっとりと舐めあげて、血管の上を細く辿って。 
鎖骨を甘噛みすれば、身体を支えようとディンゴの手が肩にのせられた。 
  
  
「っあ…や、熱斗っ…!」 
「ん〜?」 
「…んっ、やぁ…」 
  
  
膝が崩れそうになってるディンゴの腰を引き寄せてやる。 
ほっとした表情になったディンゴは。 
オレの膝を跨ぐようにして、ベッドに膝をついた。 
  
  
「ディンゴの身体、気持ちいい」 
「ふぁ…?」 
「やーらかいし、すべすべしてるし」 
  
  
ちょっとだけオレの頭より高い位置にある、ディンゴの頭。 
目の前の胸の飾りに歯をたてると、その顔が苦しそうにゆがんで。 
  
  
「っ…!」 
「ごめん、痛かった?」 
「…ちょっと…って、オイ!」 
  
  
すぱんっ!と言う小気味よい音と共に、オレの頭に走る衝撃。 
タオルで叩かれたのだと、身体を離したディンゴの手の中の物で理解する。 
わなわな震えてるディンゴに一抹の不安を感じながら。 
  
  
「お、おまっ…キスだけだって…!」 
「デコチューであって唇にはなしって話だろ?」 
「屁理屈だっ!」 
  
  
真っ赤になって仁王立つディンゴにさらりと告げると。 
さらに顔を赤くしたディンゴが、オレを殴ろうとしてきて。 
その腕をつかんで、二人仲良くベッドにダイブ。 
  
  
「どっこいしょ」 
「ギャー!何押し倒してやがる!?」 
「やーだって…据え膳食わぬはって」 
  
  
ディンゴはほんと単純だから。 
ダイブした後は、いつも通りだっこタイム。 
じたばた往生際の悪いディンゴの額に、軽くキスすると。 
ようやく大人しくなったディンゴを抱きしめて、オレもベッドに横たわる。 
  
  
「つーかディンゴが可愛いのが悪い」 
「男に可愛い言うな」 
「ほんと可愛いもん」 
  
  
ぶーたれてはいるけど、素直に抱きしめられたままのディンゴ。 
それ以上怒ってこないところを見るに、さっきのは照れ隠し。 
抱きしめても怒らないのはオーケーってことで。 
瞼をゆっくり閉じるのは…キスして欲しい、のサイン。 
  
  
「ディンゴ…」 
「んっ…ぁ、ふっ…」 
  
  
ちゅくん…とか、ぴちゃ…だとか。 
イヤラシイ音に混じってあがるディンゴの声。 
引っ込みそうになる舌を追って絡ませれば、その舌が震えて。 
オレが舌を退こうとすれば…ディンゴの腕が、オレの頭を引き寄せる。 
そして、オレ以上の動きで舌を絡ませてきて。 
  
  
「ふっ、んぅ…んんっ、く、ぅ…」 
「…っは、ディンゴ…」 
「ね…とぉ…っ」 
  
  
お互いの呼吸が早くなってく。 
絡ませる舌はさらに動きを早めて、互いの歯の裏や上顎を舐め合う。 
何度も何度も。 
それこそ息が止まりそうなほど、長く深くキス。 
あまりにも長い間だったから。 
唇が離れた時には、お互いかなり息を荒くしていた。 
けど…イヤじゃない。 
心地よい気だるさに、二人して抱きしめ合うのは。 
  
  
「はぁ…キモチいー」 
「も…ホント、最悪だっ…」 
「なんだよ、よくなかったのか?」 
  
  
文句を言うディンゴの目を覗き込むと、思い切り目をそらされた。 
よっぽどすねられたのか。 
ちょっと焦ったけど…オレは、その素っ気ない態度の理由に気づいた。 
  
  
「ひょっとして…腰砕けたとか?」 
「…っ!わ、悪かったなっ!」 
「や、全然。むしろ嬉しいな〜感じたんだ〜」 
  
  
からかうように言うと。 
真っ赤になったディンゴの顔は、火を噴きそうなくらいで。 
さすがにそこでやめて、真面目にディンゴと向き合うと。 
向こうも、じっとこちらを見つめ返してきたから。 
  
  
「も一回、いい?」 
「…うん」 
  
  
優しく額に口付けて。 
何か照れくさくて、抱きしめあってじゃれあって。 
そのまま、何にもせずに寝た。 
  
お泊り会は後二日。 
二日で、どこまで出来るか…今から楽しみだったりする。 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
久々熱ディン 
…やっぱなんかしっくり来ない 
オモテで普通にラブラブさせてた方がよかった気が。 
そしてウラだと予想外に長くなるのはいつものことで。 
再びママ協力。 
ウチのお母さんがたこんな人ばっかですね… 
ウラにおくのはディープキスからというのが僕の中での決め事なので 
がんばってディープにまで持ち込んでみました。 
玉砕感が否めません。 
二人とも口調が似てるので書き分け難しい 
てゆかきっと出来てません 
とりあえず自分でエロ祭り宣言したからには、せめてエロだけでも上げたいです。