10:蕩けるような 
  
  
  
バレルとのキスは、好きだ。 
ただ、唇をくっつけるだけのキスも。 
深く繋がる、大人のキスも。 
どこにキスされても、嬉しい。 
優しくて、時々性格悪くて。 
それでも、気持ちよくて。 
  
  
「…ふぁ…っ」 
  
  
バレルの舌が、おれの口の中に入ってくる。 
あちこち舐められる、大人のキス。 
一番最初にやられたときは、正直気持ち悪かったけど。 
今は。 
  
  
「んぅ…ぁ、はぁ…」 
  
  
ぴちゃ…って。 
すごいイヤラシイ音がして、舌が解放される。 
ジンジン痺れる舌に、橋がかかる。 
銀色の、唾液の橋。 
この大人のキスも、好きだ。 
すごく、気持ちいいから。 
…バレルのこと、好きだ。 
いくら変態オヤジでも。 
好きで好きでたまらない。 
だから、キスも好き。 
自分からも、キスしようと背伸びする。 
けど、もう膝が震えていて。 
  
  
「…っ」 
「何だ、もう膝が砕けたのか」 
「…るせぇっ」 
  
  
必死で膝に力を入れて、バレルの首に腕を回す。 
けど、これ以上は無理。 
くらくらして。 
  
  
「っく…バレ、ルぅ」 
「もっと、か?」 
  
  
ちゅ、と鼻先にキスされるのに。 
自分から舌を差し出して、バレルにアピール。 
もっと、蕩けさせて欲しくて。 
  
  
「もっとぉ…」 
  
  
イヤラシクささやくおれに、バレルが幸せそうに微笑む。 
差し出した舌を、ゆっくり舐めあげられて。 
跳ねた身体は、バレルの力強い腕に支えられた。 
  
  
「ひぁっ…!?」 
「…可愛い、な…ディンゴ」 
  
  
小さく笑ったバレルの唇は。 
次には、おれの唇を塞いで。 
息も出来ないくらいに、感じる。 
ゾク、って背筋が震える。 
さっきよりも激しく、舌が絡むのに。 
おれはもう、限界寸前まで追いつめられて。 
  
でも。 
  
  
「あぅ…も、と…」 
  
  
離れるとすぐに、その唇に追いすがってしまう。 
骨の随まで蕩けるようなキス。 
心底、惚れ込んでるんだ。 
バレルに。 
バレルだけに。 
こんなおれは、バレル以外に絶対見せない。 
こんな浅ましいおれだけど、バレル以外にねだったりしない。 
バレルだから、好き。 
とろけるようなキスも、甘い言葉も、優しい声も、意地悪な指先も。 
  
  
「なぁっ…もっと、シて…っ?」 
  
  
だから、おれは。 
また今日も、バレルに。 
バレルの、とろけるようなキスに。 
酔わされる。 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
バレル×ディンゴでしたー 
ウラって言ったってぬるいものしか書けません 
サイトさんによってはオモテですねこれ 
一応自粛 
バレディンは甘甘希望 
ディンゴはバレルにべた惚れで 
バレルはディンゴを猫かわいがりしてると嬉しい 
キスだけでどこまでエロ風味になるか挑戦です